四教義集 Doctrina Novae Hierosolymae de Domino,

Sacra Scriptura, Vita et Fide

新教会教義の主要な教え主、〈みことば〉、生命、信仰の四つのポイントを、聖書から解説・証明。

四六判 450ページ


定価¥2300


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内容紹介

55・ 〈みことば〉の文字上の意味をもとにすれば、純粋の真理の教義がそこから十分汲み取れます。

〈みことば〉は文字上の意味では、ちょうど人が衣服を身に付けながらも、顔をあらわにし、両手も裸にしているのと似ています。

人の命に関係あるもの、すなわち人の救いに関係あるものは、裸のまま現れその他の部分は衣服で覆われています。また衣服をつけている部分でも、たとえば薄い絹で顔を覆っているように、透いてみえるところもあります。また〈みことば〉の真理は、それにたいする愛によって増えて行くように、またその愛によって秩序づけられるように、衣服をとおしてますますはっきりと輝き現れてきます。これも教義による以外にはありません。

 訳者あとがきより

 本書は、通常『四教義集 Four Doctrines』の名で呼ばれており、目次にもあるように、

『「主」についての新エルサレム教義 Doctrina Novae Hierosolymae de Domino』、

『「聖書」についての新エルサレム教義 Doctrina Novae Hierosolymae de Scriptura Sacra』、

『「生命」についての新エルサレム教義 Doctrina Novae Hierosolymae de Vita』、

『「信仰」についての新エルサレム教義 Doctrina Novae Hierosolymae de Fide』の四部作です。

 ただし第三番目のものの正式の原題は、『十戒に基づく新エルサレムのための生命の教義 Doctrina Vitae pro

Nova Hierosolyma ex Praeceptis Decalogi』ですが、他の三書と並べ、和訳では、『「生命」についての新エルサレム教義』としました。

 なお、この著作の執筆と出版は、いずれもアムステルダムで、同年の一七六三年発行となっていますから、以上の四小冊子をまとめて、『四教義集 - 主・聖書・生命・信仰』と呼ぶことに、異論はないと思います。翻訳の底本にしたラテン語原文は、一九六〇年の前後にわたって、スイスのバーゼルにあるスエデンボルグ・インスティテュートが、復刻版として出したものを使用しました。

 著者のエマヌエル・スヴェーデンボルイについては、他の関係書、あるいはアルカナ出版発行の原典訳『天界と地獄』(p.574~)に詳しく解説されているので、ここでは省くことにします。著者がこの『四教義集』を記したのは、年齢75才ごろで、すでに『霊界日記』、『天界の秘義』、『天界と地獄』、『黙示録講解』の大著を含め、十数種の著作を書き終えた後でした。スヴェーデンボルイの生涯で、57才から84才までを神学的著作の執筆活動期間とすると、本書の執筆は、その半ばを過ぎ、最も円熟した時機でもありました。

 さて、アルカナ出版では、一九八五年以来、ラテン語原典からの口語体和訳を、出版発行してまいりました。本書はちょうど十冊目になります。顧みると、『天界と地獄』(1985)から始まって、 『真のキリスト教上』(1988)、『真のキリスト教下』(1989)、『神の愛と知恵』(1991)、『神の摂理』(1991)、『結婚愛』(1992)、『新エルサレムと天界の教義』(1993)、『宇宙の諸天体』(1994)、『霊魂と肉体との交流』(1994)、『四教義集』(1996)になります。

 

           一九九六年二月二十日           訳者しるす