新エルサレムと天界の教義 De Nova Hierosolyma et ejus Doctrina Caelesti

新教会の教義サマリーとして、簡潔で、分かりやすく、一時間程度で読める入門書。

あるいは、グループでする勉強会、家庭集会、読書会用 のテキストに最適。


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内容紹介


HD206. 洗礼は以上のようなことがらの印であり記念です。ですから、幼児でも洗礼を受けることができます。幼児のときでなければ、成人したときでも、洗礼は可能です。

HD207. ということで、洗礼を受けた人が知っておかなくてはならないことですが、洗礼自身が信仰を与えたり、救いを与えたりするものではありません。洗礼が証明することは、その人が信仰を受け入れており、再生すれば救われるということです。


訳者あとがきより

著者エマヌエル・スヴェーデンボルイについては、今まで小社から出版した五種の原典訳を読まれた方は、ご存じのことと思います。その生涯(一六八八~一七七二年)については、原典訳『天界と地獄』(一九八五年初版、アルカナ出版発行)の最終ページにあるブリタニカ百科事典掲載分の和訳をご覧ください。

 今回の訳も、いままで翻訳出版した『天界と地獄』、『真のキリスト教』上下巻、『神の愛と知恵』『神の摂理』、『結婚愛』に続いて、本邦初のラテン語原典からの和訳です。本書の英訳からの重訳としては、すでに一九一三年(大正二年)、鈴木大拙が『新エルサレムとその教説』として、丙午出版社から出しております(『鈴木大拙全集第二十四巻』、岩波書店・東京、一九八二年発行、69~153ページ)。

 本原著の小冊子は、かの大著『天界の秘義』を一七五八年に脱稿後すぐまとめたもので、必然的に『天界の秘義』の教義内容を要約したものとの印象を受けます。したがって、原典には『天界の秘義』からの引照が多く、それを掲載すると相当数のページを占めるため、本訳書では英訳本の例にならって、割愛しました。

 『天界の秘義』の場合、その「秘義 arcana」の文字が示すように、教義の内奥にある秘密(〈みことば〉の内的または霊的意味とも言います)を説き明かしているのにたいし、その秘義を分かりやすく理論づけたものが、ここでいう「天界の教義」です。したがって本書の内容は、一般向きで単純明快、前掲の原典訳を読了された方には、新教会教義のサマリーとして役立つことでしょう。

 本書のタイトルは、ラテン語で、De Nova Hierosolyma et Eius Doctrina Caelesti (新しいエルサレムとその天界的教義について)とありますが、教義 dotrina が単数になっています。つまり内容は、目次をごらんの通り二十三項目に分かれてはいますが、一つのまとまった単純な教義です。現代的に分かりやすくいうと、教義とは、宗教生活上のシステムです。そしてこのシステムに則って 生活すれば、人はだれでも霊魂の救いを得、至福の世界に入れると教えます。

 この小著を通して、一人でも多くの方が、人生の指針、生きる目的、新教会の教えを学んで、死後の〈いのち〉への希望を抱かれるよう祈ります。

              

          一九九三年四月十日      アルカナ出版